社長はお隣の幼馴染を溺愛している
お見合い相手である愛弓さんと婚約の話まで出ているのに、ここで誤解されて困るのは、要人のほうだろう。
「あ、あの、それで、愛弓さん。私になにかご用ですか?」
「そうなの。倉地さんに、私の素敵な婚約者を紹介してあげようと思って」
恵衣が私の前にずいっと出る。
「婚約者? ふーん。仁礼木社長、本当に婚約したんですか?」
恵衣の態度は、わかりやすいくらい刺々しい態度だった。
でも、それで要人は私の友人で、高校の後輩だった恵衣に気づいた。
二人は目と目で語り合い、にやりと笑う。
私はそんな二人を見て、嫌な予感しかしなかった。
「要人さんのご両親が、私をとても気に入ってくださって。ぜひって言われたの」
「親同士が勝手に言っているだけで、話はまったく進んでいないけどな」
要人の冷たい態度に、愛弓さんが自慢するような婚約者同士には見えず、周りの社員も苦笑していた。
けれど、愛弓さんは、まったく気にしてない。
「仁礼木のお母様、私との婚約を喜んでくれて、とても乗り気なんですよ? それに私と要人さん、誰から見てもお似合いじゃないですか。そうですよね~?」
私と恵衣に、わざわざ尋ねなくてもいいのに、どうしてここへ来たのだろう。
「あ、あの、それで、愛弓さん。私になにかご用ですか?」
「そうなの。倉地さんに、私の素敵な婚約者を紹介してあげようと思って」
恵衣が私の前にずいっと出る。
「婚約者? ふーん。仁礼木社長、本当に婚約したんですか?」
恵衣の態度は、わかりやすいくらい刺々しい態度だった。
でも、それで要人は私の友人で、高校の後輩だった恵衣に気づいた。
二人は目と目で語り合い、にやりと笑う。
私はそんな二人を見て、嫌な予感しかしなかった。
「要人さんのご両親が、私をとても気に入ってくださって。ぜひって言われたの」
「親同士が勝手に言っているだけで、話はまったく進んでいないけどな」
要人の冷たい態度に、愛弓さんが自慢するような婚約者同士には見えず、周りの社員も苦笑していた。
けれど、愛弓さんは、まったく気にしてない。
「仁礼木のお母様、私との婚約を喜んでくれて、とても乗り気なんですよ? それに私と要人さん、誰から見てもお似合いじゃないですか。そうですよね~?」
私と恵衣に、わざわざ尋ねなくてもいいのに、どうしてここへ来たのだろう。