社長はお隣の幼馴染を溺愛している
ここは一発逆転。
ビシッと核心を突くことにした。
「要人のお見合い相手って、扇田工業のお嬢様だったんでしょ?」
「そうだ。俺の見合い相手だった。あの女、仕方ないとはいえ、邪魔過ぎる」
要人は外で見るような怖い顔をし、虚空を鋭く睨み付けた。
「仕方ないってどういうこと? 邪魔って、婚約の話まで出てるのに、なに言ってるのよ?」
「便宜上はな」
「なにが便宜上!?」
「こっちにも色々と都合がある。それが済むまでは、俺の身を犠牲にする必要があった」
まるで、ビジネス。
扇田工業は沖重グループだけでなく、親会社の宮ノ入グループとも取引がある重要な会社だ。
「目障りだろうが、志茉は気にすることないからな」
「要人。もっと誠実になってよ。婚約したのに、そんな言い方……」
「志茉こそ誠実なれよ。俺を適当に扱いすぎだ」
要人は私の手から『立ち入り禁止』と書いた紙を奪い、それを投げ捨てる。
瞳の奥の青い色が、見えるくらいの距離に気づいた。
きちんと話をしなくてはいけない時期が、やってきたのだ。
――これはタイムリミット。
ビシッと核心を突くことにした。
「要人のお見合い相手って、扇田工業のお嬢様だったんでしょ?」
「そうだ。俺の見合い相手だった。あの女、仕方ないとはいえ、邪魔過ぎる」
要人は外で見るような怖い顔をし、虚空を鋭く睨み付けた。
「仕方ないってどういうこと? 邪魔って、婚約の話まで出てるのに、なに言ってるのよ?」
「便宜上はな」
「なにが便宜上!?」
「こっちにも色々と都合がある。それが済むまでは、俺の身を犠牲にする必要があった」
まるで、ビジネス。
扇田工業は沖重グループだけでなく、親会社の宮ノ入グループとも取引がある重要な会社だ。
「目障りだろうが、志茉は気にすることないからな」
「要人。もっと誠実になってよ。婚約したのに、そんな言い方……」
「志茉こそ誠実なれよ。俺を適当に扱いすぎだ」
要人は私の手から『立ち入り禁止』と書いた紙を奪い、それを投げ捨てる。
瞳の奥の青い色が、見えるくらいの距離に気づいた。
きちんと話をしなくてはいけない時期が、やってきたのだ。
――これはタイムリミット。