社長はお隣の幼馴染を溺愛している
社長就任初日
沖重グループ――元々、世間に知られた大きな会社だった。
けれど、巨大財閥である宮ノ入グループに買収される前は、業績に伸び悩み、一時は倒産の危機にまで、追い詰められていたそうだ。
今は子会社となって、業績は良好。
私が就職先に選んだのは、親会社が大きいし、名前も知れてるし、一生独身であっても、自分一人食べるに困らない会社というのが、一番大事だったから。
天涯孤独の身であるからこそ、就職する時は、悩みに悩んだ。
長く勤められ、人間関係も良好なら、なお最高である。
それが――
「倉地さん、聞いた? 新しい社長が来たって!」
「聞いたわよ」
営業からの伝票を眺め、平静を装い返事を返す。
若くイケメンな社長というだけあって、経理課の女子社員だけでなく、他の課の女子社員も浮足立ち、廊下を行ったり来たりしている。
集中できないため、ドアを閉めると、前の席に座る女子社員から、恨めしい顔をされてしまった。
「ねえ、倉地さん。見に行かない?」
「私は忙しいから、またの機会にするわ」
けれど、巨大財閥である宮ノ入グループに買収される前は、業績に伸び悩み、一時は倒産の危機にまで、追い詰められていたそうだ。
今は子会社となって、業績は良好。
私が就職先に選んだのは、親会社が大きいし、名前も知れてるし、一生独身であっても、自分一人食べるに困らない会社というのが、一番大事だったから。
天涯孤独の身であるからこそ、就職する時は、悩みに悩んだ。
長く勤められ、人間関係も良好なら、なお最高である。
それが――
「倉地さん、聞いた? 新しい社長が来たって!」
「聞いたわよ」
営業からの伝票を眺め、平静を装い返事を返す。
若くイケメンな社長というだけあって、経理課の女子社員だけでなく、他の課の女子社員も浮足立ち、廊下を行ったり来たりしている。
集中できないため、ドアを閉めると、前の席に座る女子社員から、恨めしい顔をされてしまった。
「ねえ、倉地さん。見に行かない?」
「私は忙しいから、またの機会にするわ」