社長はお隣の幼馴染を溺愛している
幼馴染 ※要人視点
 ――俺が帰る場所は、志茉(しま)が待つ場所だけ。

 コンビニに寄って、志茉が好きなアイスクリームと食べやすそうなゼリーやヨーグルトをいくつか選ぶ。
 前より食事を摂るようになったが、夏の暑さもあってか、食欲は落ちていた。
 辛いくせに我慢して、顔には出さず、強がるから困る。
 負けず嫌いで、意固地な志茉。
 昔から、泣くのを嫌がるところがあった。

「プリンも買うか」

 また買いすぎだと言われて、怒られるんだろうなと思いながら、レジに行く。
 会計を済ませようとすると、レジに立っていた店員が、俺の顔をジッと見てきた。
 知り合いらしく、頭の中にある記憶をたどる、それが、大学の後輩だと気いた。
 
仁礼木(にれき)先輩は私のことなんて、どうでもいいんですね」
「は?」

 言っている意味がよくわからない。
 目の前にいる後輩は、付き合ったこともない女子の後輩である。

「サークル内で、私と仲良くしてくれたのに……。遊びに行きましたよね?」
「個人ではなく、サークル仲間同士でなら」

 事実を言っても、納得してないのか、ムッとされた。
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