世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
お礼をしたいと言いながら、あかりにまた会いたいという下心があった自分を、横からぶん殴ってやりたくなる。
「わ、分かりました……」
「えっ、何で落ち込んでるの……?」
自分の愚かさに肩を落とし落ち込んでしまった清谷を見て、あかりは困惑した。
自分なりに清谷の心配を取り除いてやったつもりだったのに、まさかショボンとされるとは。清正は三つ子のように単純ではないらしい。
「(清谷くんはあの子達とは違って、繊細なんだ……)」
あかりは困って眉を下げる。それに、清谷がクリームソーダを飲むのをやめた為、アイスが溶けてしまって、今にもグラスから溢れそうだ。正直そちらの方が気になる。
「(どうしよう、どうしよう。アイスが、あぁ、勿体無い)」
悩んだ結果、世話焼きのあかりは清谷のスプーンを手に取り、アイスを掬って清谷に差し出した。