世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1




「自分で食べます……」
「あ、ごめんね。恥ずかしかった?」
「ご褒美でした」
「なんて?」
「間違いました。全然恥ずかしくないです」



 清谷の発言にあかりは思わず聞き返したが、清谷がクリームソーダをすごい勢いで啜り始めた為深掘りすることをやめた。あかりはそういうところでは空気の読める女である。


 その後、クリームソーダを飲み終え、途中途中あかりが天然爆弾を落とし、その度心臓を押さえたり俯いたりする清谷に、あかりは身体が弱いのかなと心配していた。


 そして、ファミレスを出る頃には17時を回っていた。


 ファミレスの前に自転車を停めていたあかりは、ストッパーを外してそれに跨る。



「清谷くん、今日は本当にごちそうさま」
「いえ、こちらこそ突然すみませんでした」
「ううん。またどこかで会ったら是非お話ししようね。熱中症には気を付けてね」
「っ、あの」
「ん?」



 あかりが自転車のペダルを漕ごうとした時、清谷は思わずその背中に声を掛けた。


 


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