世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
清谷は、結局あかりに連絡先を聞けずにいた。お礼がしたいと言った手前、下心を見せる勇気がなかったのだ。
けどこれでさよならなんて耐えきれない、どうにかして繋がりを持ちたい。それくらい清谷は、この数時間で更にあかりにズブズブにハマっていた。
優しくて親切で懐深いあかりが彼女になってくれたら、どれだけ幸せなんだろう。
出会ってから初めて話して、この短期間でそう思ってしまうほどの人間にこの先出会える可能性なんて限りなく低い。
清谷は、カッコ悪くてもチャンスを物にしたい、そう決意した。
「また、どこかでなんて嫌です」
「えっ……ごめん。迷惑だった……?」
「違う! そうじゃなくて!」
「う、うん」
「すみません……今日、本当はお礼だって言いましたけど、本当はそれだけじゃなくて、あかりさんと……は、話してみたかったんです……」
「……そうだったの?」
「だから別に、助けてくれたあかりさんに恩を感じてるだけでこうしてるわけじゃなくて……その」
清谷は自分の発言のせいでどんどん真っ赤になっていく。キレイな顔が染まっていくのを見て、あかりは絵になるなぁと思った。