世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
ファミレスの中でも何かを言いたげに吃ったりして照れていたが、部活のことを真面目に話してみたりする清谷は良い子だし、そんな清谷が一生懸命に何かを伝えようとしているなら最後まできちんと聞いてあげたいとあかりは思った。
あかりは自転車のストッパーを掛け、清谷と視線を合わせゆっくりと頷く。
「下心も、ありました」
「……したごころ」
「俺、あかりさんともっと話したいし、もっとあかりさんのこと……知りたいです」
「う、うん」
「だから、俺と連絡先、交換してください」
顔のいい清谷から、真っ赤な顔、必死な表情、大きな目で真剣に見つめられ、あかりは柄にもなくドキリとした。
そして、総一郎のことが頭を過ぎる。
清谷は総一郎とはまた違うタイプの年下男子で、総一郎がクール系脱力男子だとしたら、清谷はシャイでピュアな誠実系男子。
総一郎に普段から触れすぎている為、あかりは清滝のピュアさにどう反応していいか困った。
困ったけれど、連絡先を教えない理由もない。あかりは口を開く。
「うん、いいよ…………わっ!」
グイッ
そう答え瞬間、何故かあかりの肩が後ろから引かれ、よろめいた身体を誰かに抱き止められた。
そして、耳元で聞き慣れた声がした。
「絶対、ダメ」