世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「ちょっ……! 総一郎くん?!」
あかりが勢いよく振り返ると、そこには制服姿の総一郎がめちゃくちゃ不機嫌そうに立っていて、あかりの肩を抱いていた。
そして、視線の先には清谷の姿が。清谷は目を見開いた後、直ぐに総一郎をギロリと睨み付ける。
「与田、お前どこから湧いたんだ。あかりさんを離せ」
「無理。オマエがどっか行け」
「俺があかりさんと話してたんだよ。っていうか、お前あかりさんと知り合いなのか?」
「知り合いって……そんな浅い関係じゃねーし」
「あ?」
ピキッと清谷の額に青筋が浮かび、二人の間に流れる空気が氷点下になる。
どうやら二人は知り合いらしいが、あかりは状況がの見込みきれずに二人を交互に見て焦っている。
「ま、待って、喧嘩ダメッ」
「あかりさん、そいつから離れてこっちに」
「行かせるわけねーだろ」