世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1




 ファミレスの目の前で繰り広げられる攻防。止まる様子のない二人に、あかりは声を張った。



「ストップ!! ちょっと二人とも落ち着いて! っていうか……清谷くんと知り合いなの? 総一郎くん」
「万年二位」
「あ?!!」
「理解できないけど、あんまり良くない発言だってことだけは分かった。総一郎くんごめんなさいして」
「しない。バレーの同じポジションで、いつも俺に勝てない」
「アーーーーーそういうこと何で言うのーーーダメでしょっ!!」
「次は勝つんだよ!!」




 わざと煽る発言をした総一郎に、あかりはギョッと目を大きくする。


 総一郎は駄々っ子気質はあるが、基本的に脱力系でポワポワしてることが多い。だから、ここまで他人に対して攻撃的な一面を見せることに驚くと同時に、二人の仲の悪さを察する。


 そして、やはり総一郎は謝らずに唇を尖らせた。




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