世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「は、はい。なんですか……?」
「総一郎くんが嫌な思いさせてごめんね? もしかして二人っていつもこんな感じなの?」
「そうですね」
「……そ、そっかぁ。あ、清谷くん。連絡先だったよね」
「!……はいっ」
「じゃあ、ID教えて」
清谷の周りにぶわりと花が飛ぶ。あまりに嬉しそうな顔をされ、あかりは目が点になった。
「(この子、総一郎くんとはまた別の可愛さがあるな……)」
二人で並んで連絡先を交換していると、そこへ固まっていたはずの総一郎が割って入ってきた。
「あかり、ダメ、何してんの」
「何もダメなことないよ?」
「もう交換済みだ」
清谷が勝ち誇ったように、スマホに映るメッセージアプリの新規友達欄を総一郎に見せびらかす。そこにはあかりの美味しそうな唐揚げのアイコンが。