世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1



 好き、好き。それじゃあ、あかりは俺が言うこと聞いたら……。


 総一郎の思考はとんでもない方向に転がっていく。



「総一郎くん?」
「謝ってもいい」
「え、本当に? えらいね、総一郎くん」
「言うこと聞いたら、何してくれる?」
「へ?」
「ご褒美。ご褒美くれなきゃ絶対謝らない」
「はい? なんで?」
「あかりが言うこと聞く俺のことが好きなら言うこと聞きたいと思うけど、偉いって褒めて欲しいしご褒美欲しい」



 強欲だ。あかりは総一郎のことを思い、自分がそうしてくれたら嬉しいな〜、という子供につかう手法を使って、上手く誘導し、総一郎を正しい道に導いたつもりだったのに。


 あかりはぐぬぬ、と顔を顰める。



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