世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1





「……うまそー」



 総一郎の意識が一瞬覚醒した。そして、なんだこれは夢か? 夢だな。



「どうぞ召し上がれ」



 これは夢だから、目の前の小さい女が誰なのか疑問に思う必要もない。


 総一郎は運動部の実力を発揮し、無言でペロリと全て平らげる。そしてそれをにこにこ幸せそうに眺めていたあかりにおかわりを要求する。



「うまい、おかわり」
「たくさんご飯炊いたから!いっぱい食べて!」
「ん」



 目の前で吸い込むようにカレーを食べる総一郎を見て、あかりの心は満たされていた。よもや、母と子だ。


 そうそうこれこれ。この幸せそうにご飯を食べる表情最高生きててよかった。あかりは心の中で涙を流しながら何度も頷き、自分の生きる意味は人のお世話だと何度も噛み締めていた。




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