世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「ごめんね呼んじゃって……ちょっと、どうしていいのか分からなくて」
「あかりさん、なんでここに……? もしかして練習試合観に来てくれたんですか?」
「ううん、違くて、あのね」
「オイ清谷!! 何蹴ってんだよ!!」
「……もしかしてさっき蹴った荷物らしき物って、お前か金井」
「ンンンンンン〜〜総一郎に負けない天然煽り〜〜」
「俺は今あかりさんと話してるから、与田のところにでも行け」
「俺だってこの人と大切な話してるんだよ!」
「あっ、あっ……」
あかりは目の前で繰り広げられる巨人二人の言い争いに、先程よりも顔を青くしている。
土下座の人(隼也)は大切な話は地面に頭を擦り付けながらするらしいし、清谷はあかりを背に庇うように土下座の人(隼也)を煽りまくっている。
もうこれはお弁当チャレンジを諦めた方がいいのかもしれない。
そんな時、あかりの求めていた声が聞こえた。
「────あかり?」
全員が振り返ったのは同時だった。