世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
突如すごい勢いで部屋に戻ってきた総一郎は、洗濯物を畳むあかりに背中からぎゅっと抱き着いた。
あかりはやはりドキドキしたが、いつものことかと放っておく。
「総一郎くん、畳みにくいよ」
「すき」
「へ?」
パサリ、あかりの手から畳途中のタオルが床に落ちる。
総一郎の妙な雰囲気に、あかりは背中にぴたりと張り付く総一郎の硬い胸板と、腰に回る男らしい腕を感じ、心音が一気に速くなる。
隼也は、総一郎にあかりを好きと自覚させ段階をもっと踏んで告白に持ち込めと言うつもりだったが、段階踏むどころか数段跳んでしまった。
シンとした部屋に、総一郎のやけに熱っぽい声が再び響く。
「可愛いあかりが、だいすき」