世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



「んぐ、苦しい総一郎くん」
「……多分熱はない」
「うん。ただボーッとしちゃっただけだから、心配させちゃってごめんね」
「何があったら言って、小さなことでも。家事も無理しなくて良い。俺も頑張るから」
「無理してないよ。出来るから平気」



 ふにふにとあかりのほっぺを遊び、総一郎は真剣にそのまん丸な目を覗き込んだ。


 あかりは一瞬、自分の中の小さなもやもやを吐き出してしまおうか悩んだがすぐに思い直し口をつぐんだ。



「……小さなことでも報告するの?」
「なんでも言って。あかりのことは何でも聞きたい」
「知りたがり総一郎くん?」
「うん。あかりのことはめちゃくちゃ知りたがり」



 総一郎は優しく目尻を下げ、あかりにとろけそうなほど甘い視線を送る。
 あかりに対する好意を自覚してから、総一郎は前以上にあかりに対する積極性に拍車を掛けていた。



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