世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



「……ううん、おばあちゃんの体調良くなくて。お盆は弟達だけ帰って来るみたいだけど」
「そうなの!? うそーー! 毎年あかり誕生日は三つ子に独り占めされてたから今年もそうかと思って家族の旅行に着いていくって言っちゃった……」



 唯子は折角の可愛い可愛い可愛い可愛いあかりの生誕祭を一緒に過ごせるチャンスを逃したことを知り、大袈裟に頭を抱えた。


 しかしあかりはそれを見て、自分が誕生日を一人で過ごすかもしれないと勘違いさせ、同情させて申し訳なく思い焦った。



「大丈夫! 誕生日多分私の一人じゃないから!」
「へ? 誰かと過ごすの?」



 唯子はガバッと顔を上げあかりを見つめる。
 何処の馬の骨がうちのあかりに手を出したんだと心の中でメラメラと炎を燃やすが、あかりはそれに気付かない。



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