世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 あかりはお世話好きだ。


 三つ子のお世話を苦だと思ったことはないし、三人の弟達があかりを慕い、ひよこの様に後をついて歩く姿は本当に愛おしかった。
 宝物だった。今でもそれは変わらない。


 そんなあかりを見て、幼い時から母はいつも────。



「あかりはしっかりしてるわね! ママが居なくても安心!」



 そんな言葉を口にしていた。
 けれど、そう言われてしまった手前、あかりは三つ子のように素直に母に甘えられなくなってしまった。


 褒めて欲しいけれど、しっかり者として認識されているあかりは周りからのハードルがいつも高く、初めてお味噌汁が作れても、三つ子のおむつを変えられても、また、テストでいい点数を取ってもさほど褒めてはもらえない。



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