世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果
「しかたない、あかりはしっかり者だから」
小学生低学年程の小さな頃から、あかりは自分で自分のことをしっかり者のお世話好きとして認識し、独り言のようにそれを呟いていた。
お世話は好きだが、褒めてもらいたいは別だから。それを抑え込むように。
なかなか褒めてもらえない心から目を逸らし、三つ子をお世話することで、そんな寂しい心の内を別のもので埋めていた。
そしてそんな日々を過ごす中で、あかりの誕生日がきた。
あかりはその日をとても楽しみにしていた。だって、誕生日の主役は自分だから。
日々お世話に明け暮れてはいるが、母は誕生日だけはあかりを見てくれる。抱きしめて褒めてくれるかもしれない。
誕生日は母に甘えることを許されるかもしれない。
────しかし、そんなあかりが朝起きて、母と顔を合わせた時。