世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 総一郎が現在選んでいるのはエプロン。落ち着いた大人っぽい物から可愛らしいフリルの付いたものまで、沢山揃えられた中から一枚一枚手に取り選んでいる。



「その花柄は?」
「あかりはフリルのは待ってる」
「じゃあ意外性を出す為にこの黒」
「あかりは黒じゃない」
「なんなんだよお前折角アドバイスしてんのに!」
「求めてない」
「めちゃくちゃ辛辣」



 隼也は連れてきたくせに自分への扱いが悪いことに引いた。
 そんなこと気にも留めずエプロン選びに精を出す総一郎は、ある一枚を手に取り表情を緩めた。



「これ、あかりっぽい」
「ん? あ、あー確かに」



 柔らかなレモンイエローの小花柄。いつも優しく柔らかなあかりの笑顔にピッタリだと、総一郎はすぐにそれを買うこと決めレジに向かう。


 しかし途中であるものを見つけ立ち止まった。



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