世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 色とりどりのヘアアクセサリーが並べられた棚の上で、一際目を引くオレンジ色のリボンが特徴的なヘアクリップ。
 総一郎はそれを瞬時に手に取り、エプロンと共にレジへと持っていく。


 遅れてレジへとやってきた隼也は、リボンのヘアクリップを見て首を傾げた。



「あれ? リボンも買うのか?」
「絶対似合うし可愛いから」
「確かにあかりさん、黄色とかオレンジとか、明るい色似合うよな」



 プレゼント用に包装してもらい、会計を終え二人は店を出る。
 そしてすぐにあかりの元へ帰宅しようとする総一郎の腕を、隼也が掴んだ。



「なぁ俺、買い物付き合ったんだからアイスくらい奢ってくれてもいいだろ」
「……あかりに会いたいから無理」
「一緒に暮らしてるんだからいいだろ! ほら、早くアイス!」
「ウザい離せ馬鹿」



 暴言を吐きつつも、総一郎は隼也に買い物に付き合ってもらい実際に助かったので、腕を引かれるがままついて行く。



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