世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果




「…………卵の特売日、まさか昨日だったなんて」



 現在あかりはトボトボと賑わった商店街を歩いていた。


 その原因は、卵の特売日を間違えていて買えなかったことにある。折角足を伸ばしたのに、なんという悲劇。


 あかりは買い物に関する特売日は絶対に間違わない自信があった。だからこそショックも大きい。



「ダメだ……私最近ボーッとしてるから」



 誕生日前の不安定さはあかりにとって長年の課題だった。こんな自分が情けなくなり、あかりは毎年凹んでしまう。


 深いため息を吐きながら商店街のアーケードを抜けると、突然何かが倒れるような音聞こえ、あかりは肩をびくつかせる。




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