世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 清谷はもう死にたかった。
 たまたま午前中に他校との練習試合が終わり、帰宅中にあわよくばあかりに会えないかと、あかりの家の近くの商店街方面をわざわざ遠回りして歩いていた。


 もしあかりに会えたら暑いしお茶にでも誘おう、そしてあわよくば次のデートの誘いでもしてしまおう。


 ケーキビュッフェはどうだろうか。
 女子は甘いものが好きだ。あかりもきっと喜んでくれるはず。
 そう考えていた矢先に、商店街から出てくるショボンとしたあかりを発見したのだ。


 清谷はあかりを見つけた瞬間、子供のように目をきらめかせ駆け出した。しかしそれが間違いだった。
 あかりしか視界に入っておらず、商店街脇の駐輪場に並べてある自転車に引っ掛かり思い切り転び、挙句の果てに自転車はドミノ倒し。


 折角のモデル顔も台無しなドジ加減で、穴があったら入りたいな心境なうである。




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