世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1






「寂しい、辛い……こんなのあんまりだ」



 学校から帰宅し、制服から着替えもせず、ベッドにへにょりと寝転がっている少女は、日比野あかり17歳。高校二年生。4人姉弟の長女だ。


 ごく一般のサラリーマン家庭に生まれ、父は役職に就いており収入も良かったらしく、そこまであかり達家族は金銭面で不自由をしたことがなかった。


 そして、母は専業主婦で子供好き、そして過度の世話好き。それが功を奏し、夫婦仲はとてもとても円満。毎日両親は隙あらば子の目を盗みイチャイチャしていた。


 そして、あかり達4人姉弟はそんな両親からめちゃくちゃ愛情を込めて育てられ、その中で一番に母の遺伝子を引き継いだのは、長女のあかりだった。


 あかりにとって、母と共に弟達に世話を焼き、求められる日々は、それはそれは幸せでかけがえのない、宝物のような日々だった。


 なのに、その幸せは脆くも崩れ去る。



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