世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果
なんとかあかりに挨拶したものの、地面に這いつくばっているし自転車は倒れているしで俯いた清谷に、あかりはそっと手を差し伸べた。
「あはは、初めて会った時も暑くて体調悪くしてたし今日は転んでるしで、清谷くんって完璧そうに見えて意外に抜けてて面白い」
ゴーーーーーーン。
清谷の脳内で盛大に鐘が鳴る。リンゴンリンゴンもう五月蝿いくらいに鳴っている。あかりの周りには天使が飛び交い光が差している。(浄谷目線)
こんなにドジでカッコ悪い姿を見せても笑って流してくれるなんて、めちゃくちゃ良い女すぎる。絶対幸せにするし、なんならもう婚姻届を出したい。いや無理か、俺まだ高一だ。婚約だけでも……。
こんな感じで清谷の脳内は軽くお祭り騒ぎになっているが、なんとか平常心であかりの手を取り立ち上がる。
そして二人で自転車を直して、あかりは清谷に向き直った。