世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果
「何なら食べられます? あかりさんが食べられそうな物、俺が頼むので半分にして食べましょう」
「え」
「消化にいい物だったらお粥だったら中華粥が美味しいところも知ってますし、デザート系なら──」
「清谷くん、本当に大丈夫だからっ……なんでそこまでしてくれるの?」
あかりは清谷の提案が不思議で仕方がなかった。
お世話ばかりして生きてきたあかりは、頼り甲斐のない自分の価値をうまく見出せない。勝手にメンタルを崩しているのは自分のせいなのに。
だからこそ清谷の考えが理解できず、あかりは困惑しながら清谷を見上げた。
そんなあかりを、清谷はキョトン顔で見下ろす。
「自分で作った物はダメでも、買った物や人の作った物なら食べられる時ってあります。あかりさんは普段食事を作ってるから」
「…………」
「俺はあかりさんが元気がないのは嫌なんです。いつでも健康に笑っていてほしい。だから提案したんですが……迷惑でしたか?」