世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 清谷からすると、自分の好きな女には無条件で自分の知り得る最大限の情報やコネを利用し、健康で居てもらおうとするのは当たり前中の当たり前である。


 清谷は好きな女の前だと動揺するし赤面するしめちゃくちゃ初心だが、ピンチの時の頼り甲斐はピカイチだし紳士だし優しい。本来彼氏とするならサイコーな男であるはずだ。
 初心な反応とドジ(NEW)なところで台無しに見えるが、これまでの女の見る目がないことも頷ける。


 あかりは清谷のキョトン顔を見て、こんな自分を心から心配してくれているんだと実感し、肩の力が抜けた。


 しっかりしなきゃ、私は平気、大丈夫。
 そう自分に言い聞かせていた孤独な心に、手を差し伸べてもらえたような、温かな気持ちになった。


 ────しかし、あかりは首を横に振る。



「迷惑なんかじゃないよ。ありがとう清谷くん。……けど、今日はちょっと遠慮しておこうかな」



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