世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



「迷惑なんかじゃないよ。ありがとう清谷くん。……けど、今日はちょっと遠慮しておこうかな」



 毎年誕生日を越えればこの情緒不安定ともおさらばできる。
 だから、必要以上に大事にするつもりもない。


 あかりはへにょりと眉を下げて清谷に笑顔を向けた。



「夏バテなの。暑いのが苦手で毎年こうなんだ。心配ありがとうね」
「あ、そうだったんですね……すみません騒いで」



 清谷が申し訳なさそうにシュンとするのをみて、あかりは両手を大袈裟にぶんぶんと振った。



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