世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果




「ううん、嬉しいよ。ありがとう。……全く笑っちゃうよね、夏生まれなのに」
「……あかりさん、誕生日夏なんですか?」
「え、うん。今月の30日」
「今月!?」



 清谷が目を見開き叫ぶ。あかりは驚きぴゃっと軽く飛び上がり、一歩後退した。
 清谷はすぐさま血眼でスマホを取り出し、カレンダーを開き予定を確認する。予定がなければあかりを、あかりの誕生日を……!!



「えっ……遠征、だと……!?」



 清谷は顔を真っ青にして膝から崩れ落ちる。そして両手を地面について項垂れた。
 あかりは何が起きたのか理解が出来ず、引くことしかできない。動揺した脳みそで、そういえば金井との初対面でもこんなことをされた気がすると気が遠くなった。


 ここは商店街の目と鼻の先、いい注目の的である。


 

< 205 / 267 >

この作品をシェア

pagetop