世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果
本当はたまに褒められたい、お世話は好きだけど、たまには一番で居たい。
そんな素直な心が表に出てきて、心も身体も崩れているなんて、あかりは知られたくない。
心の奥底で縮こまり泣いている幼い自分を抱き締めるのなんて、自分だけでいい。
だから、お願い、幻滅しないで。
ぐるぐると思い悩み、俯くあかりの頭に、ポンと温かい何かが乗った。
「……俺は、確かに最初、あかりにお世話してほしくてここに来た。困ってるって言った」
髪の毛をやさしくかき混ぜられ、あかりがゆっくりと顔を上げると、そこにはどうしようもないほど愛おしいものを見るような目でこちらを見つめる総一郎がいた。
そして、絆創膏が貼られた指を優しく撫でられる。