世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果
総一郎の言葉が鼓膜を揺らした瞬間、あかりの心は柔らかな真綿で包まれたように、どうしようもないくらいに温かくなった。
あかりは、しっかりしたお世話好きな自分のことが嫌いなわけじゃない。
だけど逆に、それにしか自分の価値を見出せていないのも事実だった。
だから、こんなにも情け無い自分を当たり前に受け入れてくれる、傍に居てくれるという総一郎の言葉が、涙が出るくらい嬉しかった。
あかりの目尻から、一粒涙が頬を伝う。
初めて無条件に手を引いてもらえた、抱きしめてもらえた、私は私でいいんだと、心の中で膝を抱える自分が初めて目に光を宿した気がした。
「そういちろうくん」