世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 あかりの目がゆらゆらと揺れる。
 不安と、少しの勇気が入り混じった目。


 総一郎はあかりの不安を取り払うように、強い視線を返した。
 あかりはそれを見て数度瞬きをし、きゅっと噤んでいた唇を小さく開く。



「……電話、してる時も、手を繋いでていい?」
「当たり前。ぎゅってしててもいーよ」



 不安を振り払ったあかりの勇気を見て、総一郎は嬉しさに微笑む。
 あかりはそれを見て、例えどんな結果になろうと乗り越えられる。
 そんな気がした。




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