世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
『ごめんね、お父さんが呼んでるから行くわ。近々会いに行くし、夏休みあかりがこっちに来てもいいからね』
「うん。わかった」
『あ、あと』
「え?」
『慣れないサプライズなんてしようとするもんじゃないわね。私はあれからあかりの誕生日、忘れたことなんてないわ。明日の朝イチそっちに素敵なプレゼントが届くから。またね』
ぷつりと切れた電話に、あかりはポカンとする。
誕生日、忘れられてなかった。
大変なのに、お母さん、わざわざプレゼント。
じわじわと全身を喜びが包んでいく。
そんなあかりの顔を、総一郎が覗き込む。
視線が交わった瞬間、あかりは飛びつくように総一郎に抱きついた。
総一郎は体制を崩しながらも、大きな身体であかりを難なく受け止める。