世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
欲張りになってもいいの?
「お願い総一郎くん、手を離さないで……」
「大丈夫、絶対離さない」
「怖いの、お願い、離れないでねっ……?」
「大丈夫。死んでも離れない」
なんだあれは。なにを見せられているんだ。
無心で隼也は白目を剥きそうになりながらも、ひたすら気配を消し、抜けてる二人のやりとりを遠目から見つめていた。
二人の足元はローラースケート。
現在総一郎とあかりと隼也は、スポーツアミューズメント施設に居る。
あかりに関してはヘルメットだけでなく膝や肘にサポーターが嵌められている。
必死に半泣きになりながらも、生まれたての子鹿のように総一郎にしがみつくあかりに、総一郎がまんざらでもない表情で悦っている。