世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1



 あかりが母のお腹に運動神経を置いてきたおかげで、三つ子の運動神経がアホのように良かった為見慣れているからだ。


 けど、そんな呑気なあかりの心に一つの変化があった。



「……光ってる」



 あかりの目に映る総一郎の姿が、キラキラ輝いていつもの倍かっこよく見える。
 汗が太陽に反射し、前髪を穿ったそうに掻き上げるその姿に、おかしいくらいに胸がドッキンドッキンして、気温のせいではなく体温が上がってしまう。


 総一郎によしよしむぎゅむぎゅされながら母との誕生日事件を打ち明けてから、あかりは自分の変化に戸惑っていた。


 あかりは恋愛初心者だ。
 これまであかりの心に恋が芽生えないうちに、三つ子やら唯子がそれを捻り潰してきた。
 だからあかりはこの感覚にひたすらに困ってしまう。



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