世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1



 あかりが恋愛慣れした肉食女子なら、真っ先に自覚し総一郎に告白をして結ばれていただろうが、あかりはそっち方面がとにかく抜けている。疎い。
 だから、この恋の甘くてくすぐったい気持ちをあかりは持て余してしまっていた。


 普通にしている時はいつも通りにできるのに、いいところを見せられたり優しくされると呼吸が浅くなり胸がキュンキュンするのが嫌だな、とあかりは思ってしまう。半泣きだ。誕生日なのに。


 あかりはそんなこんなで喉がカラカラに乾いていたのでそっとその場を離れ自販機に向かった。
 

 スポドリを人数分買い、抱えて二人の元に戻る。
 しかし、二人が見えたタイミングであかりは脚を止めた。


 さっきまでバスケをする二人のことを見ていた女子二人が、総一郎と隼也に声を掛けていたからだ。



< 245 / 263 >

この作品をシェア

pagetop