世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1



 同時刻、私立雛巳女子高等学校の昼休み。女子校というのは側から見ると蝶よ花よとお淑やかに見えるかもしれないが、その内情は女の素の姿が丸見えだ。


 今日も今日とて、2年5組は合コンのミーティングやら、机で化粧やら、スカートの下にジャージでまたおっ広げやら、女子校という名の自由な場である。


 そんな中、お弁当を広げぽわぽわと幸せオーラを放つあかりに、親友の唯子があんぱんを食べながら声を掛ける。



「あかりどうしたの? 三つ子帰ってきた?」
「ううん、ずっと不在」
「そっか、なんか嬉しそうだからさ」
「……聞いてくれる?」
「もちろん」



 唯子は優しくあかりから情報を聞き出す。しかし内心メラメラしていた。




< 30 / 263 >

この作品をシェア

pagetop