世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
何故なら、唯子はあかり過激派だから。
恋に敗れ毎日しくしく泣いていた唯子を、至れり尽くせりお世話して蘇らせたのはあかりだ。その聖母の如き優しさに、唯子はあかりに対して同姓ながら、一生推すと心に決めた。
あかりの周りを飛び回る小蝿は早めにチェックしておきたい。あわよくば殺したい。
何故ならあかりと付き合うのなら、三つ子の次に唯子という壁を乗り越えなければならないという暗黙の了解があるからだ。あかりはそれに気付いていない。
あかりと同等の包容力を兼ね備え、尚且つあかりを幸せにできるだけの財力、顔面、性格、高身長でないと認めない。唯子は決めていた。
とにかく内心メラメラする唯子に、あかりは頬をぽっと染めて小さな口を開く。