世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「あのね、昨日久しぶりに人のお世話をして……」
「うん」
「男の子だったんだけど」
はい殺す。すぐ殺す。身元を洗って今殺しに行きます。
誰だよ可愛いあかりに世話させた野郎は、あんなクソみたいな三つ子だったけど居ないよりはマシだったな、と三つ子と折り合いの悪かった唯子は頭を抱えた。
唯子は心の中でチェーンソーを装備し、ブィンブィィィィンと爆音を鳴らしながらも、あかりの話しをにこやかに聞く。
「すごいんだよ、眠りながらお風呂入ってご飯も夢の中で食べてるつもりだったみたいで」
「……ん?子供?」
「そうだね、子供みたいにうつらうつらして」
なぁーーんだ、子供だったのか。唯子は都合の良いように解釈した。だって行動が完全に子供のそれだったからだ。
自分と同じ年頃の男子は夢の中と混同して飯を食わない。よって唯子の中で総一郎は子供という位置付けになった。
子供のお世話まで出来るあかりは神に選ばれし天使、聖母の中の聖母、流石私の推し。唯子は心の中のチェーンソーを投げ捨て、代わりにキンブレを持ってはわわ……としている。
唯子の中のあかりの株は上がる一方、天井知らずだ。