世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
……いや、お世話?
お世話って俺別に子供とかじゃない……と無表情で困惑し、背中に宇宙を背負う総一郎に、あかりはダメ押しとばかりに顔の前で小さな手を合わせる。すごく必死だ。
「うちも家族が田舎のおばあちゃんのところに行ってて、誰もいないの。だから、今一人で……」
「…………」
「今まで三つ子の弟達のお世話をしてたんだけど……いなくなっちゃって寂しくて。私、その、誰かの生活を整えるのが好きだから。良く世話好きって言われるんだけど」
「…………」
「そっちも一人で困ってて、私も誰かをお世話したい。お互いwin-win、どうかな……?」
win-win。あかりの言葉に総一郎は、確かに、と思った。そして自分を見つめるあかりのキラキラした目にグッときて、なんだこれ? と首を傾げたくなる。
というか、この人はこの年齢で三つ子の弟の世話をしてたのか。しかも喜んでやっていたと。だとしたら、三つ子の幼い弟と離れるのは寂しかっただろうと、総一郎はあかりを不憫に思った。三つ子は中二である。
正直、総一郎はもうそろそろ部活と自炊生活の両立に耐えられなくなりそうだったから、この申し出はとてもありがたいと思った。