世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
2 お互いのことが知りたいんです
可愛いを知る
「はい、自己紹介どうぞ」
「……神宮寺高校一年、与田総一郎。誕生日は4月14日」
「はい、では総一郎くん。好きな食べ物嫌いな食べ物をどうぞ。アレルギーは?」
二つ目の最中を食べ終えた総一郎に向け、突如あかりがインタビューを始めた。
さっきまで、もくもくと桜あんの最中を頬張り小動物のように頬を膨らませ花を飛ばすあかりを眺め、総一郎も幸せな気持ちだった。
人間に対してこんなに感情を揺さぶられるのは初めてだと、総一郎は自分の新たな感情の解明に必死になる。
総一郎は顔面は良いが、ずっと部活部活だったから、異性からの好意に対して無頓着だった。見た目はただ歩いているだけで女に声を掛けられる、兎に角かっこいい塩顔クールイケメンだが、中身は初恋もまだな初心な少年だ。
自分に新たな感情を植え付けるあかりから次々与えられる質問に、総一郎はなんとか答えていく。