世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1




「好きな食べ物は唐揚げ。嫌いなものはない、です。アレルギーもな……ありません」
「今さら敬語はいりません。何部の何時起き、帰宅は何時ですか」
「……バレー部。朝は5時半起きで、帰りは7時半くらい」
「ふんふん、了解」



 あかりは総一郎から聞いたプロフィールをスマホのメモにポチポチした。このメモを参考に総一郎と暮らそうと思っているからだ。あかりはお世話するからにはリサーチが必要だというタイプだ。


 あかりは、次の自己紹介は自分だとお茶を啜り、えへんと喉の調子を整えた。


 総一郎はそんなあかりの様子を見て、頭を撫でくりまわしたいなと思ったが、グッと堪える。



「雛巳女子高の2年、日比野あかりです。誕生日は7月30日。気軽にあかりって呼んでね」
「わかった」
「好きな食べ物はカボチャの煮物とりんご。嫌いな食べ物はハンバーガーのピクルス」
「ピクルス」
「家を出るのは7時過ぎで、帰宅は5時頃」
「わかった」
「特技はお世話です。よろしくお願いします」
「俺の特技はバレーです。お願いします」



 ピクルスが嫌い。総一郎はムズムズした。ピクルスが嫌いと言うときに恥ずかしそうなあかりが正直かなりやばいほどグッときたからだ。


 総一郎はそのムズムズがなんなのか分からない。


 お互いペコリと頭を下げると、あかりは立ち上がる。





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