世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
あかりはうるうるした目を驚きで大きくした。
「あ、総一郎くん……」
「待つから」
「でも、部活帰りでしょ。疲れてるのに」
「疲れてないし、こういうのは男の仕事」
ヒョイと買い物袋を取り上げると、あかりは申し訳なさそうに眉を下げ、視線を彷徨わせる。
いやいや違う、そんな顔が見たいわけじゃない。
総一郎は腰を折って、あかりの顔を覗き込む。
「俺の世話をしてくれるあかりの手伝いが出来て嬉しい」
「……ほんとに?」
「ほんと」
総一郎の柔らかな言葉で、あかりは恐る恐る視線を上げ、目を合わせる。総一郎の心臓がギュンとして、グッときた。