世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
総一郎の脳内はあかり一色である。
そして、総一郎はドライヤーの丁度いい熱風で気持ちよくなりながら、自分の心がとても温かいことに気付く。
今まで総一郎は、周りに人が絶えない人生歩んできた。
人よりも顔が整っていて運動が出来て口数も少ないから、クールやらミステリアスと言われているが、中身は抜けていてぽやぽやなことは意外に知られていない。
だから、下心から寄ってきて世話を焼いてくれる人間を拒否したりはしたことはない。受け入れて特に損をしたことがないから。
──しかし、寂しかったことはないが、満たされたことはない。それが総一郎だ。
だから、ここまで一人の人間のことを考え、温かく満たされた気持ちになったことが初めてだった。
毎日あかりを通して勉強中である。まるで人間一年生だ。