世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1



 あかりは震え上がりながらも、リビングのソファの上にあった、布団たたきを掴み、玄関の扉へと近付く。



「だ、誰かいるんですかっ……? つ、通報しますよ」



 声を裏返しながらもなんとか発した言葉に対し、反応はない。


 しかしあかりは考える。ここは、エントランスで暗証番号を押すか、キーがないと入れない、防犯性の高いマンションだ。だから両親も安心して私を置いていった。


 もしかして、住人が部屋を間違えてたのかも。


 あかりは恐る恐る、ドアロックをしたまま薄く扉を開く。何故か扉がめちゃくちゃ重たい。



「…………えっ」



 そこには、扉に寄り掛かるように座込み、膝を顔を埋め眠る、制服姿の男子がいた。




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