世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「乾かさせてくれないと、明日からご飯ちゃんと食べない」
「えっ、何言ってるの……?」
「風呂だって浸からない」
「ダメダメダメ! そんなの絶対ダメ!」
大人しくやらせてくれないのならこっちにも考えがあると、総一郎はあかりの一番嫌がることを引き合いに出す。
すると、みるみるうちにあかりの顔色は悪くなる。あかりはお世話対象である総一郎の生活を整えてあげることが一番の幸せだ。
だから、これを言えば絶対にあかりは折れる。
その証拠に、あかりは早足で総一郎の足元のカーペットにストンと腰を下ろした。そして、ぷくっとふにふにの頬を膨らませ、総一郎を振り返る。
「もう、今日だけなんだからねっ」
はい可愛い、はい優勝、はい世界遺産登録完了。
なんだこの可愛い小動物は……。総一郎は天を仰ぐ。