世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
髪の毛がしっとりと濡れていて、尚且つ顔の血色がいいのも相まって、いつもの可愛さにプラスしてどこか艶っぽさがあるあかりを至近距離で見てしまい、総一郎はちょっとだけ後悔した。
なんだか良い匂いもするし、心臓のムズムズがやばいことになっている。
ムズムズどころか、捩り鉢巻きをした半裸の男達が和太鼓をドンドコドンドコ打ち鳴らしている。それくらいに心臓がやばいし、なんならめちゃくちゃ身体も熱い。
え? これドライヤー無理かも。総一郎は諦めそうになったが、どうにか心臓に巣食う半裸和太鼓集団を追い出し、平常心を取り戻す。
そして、思いの丈を吐き出した。
「あかりがかわいすぎて今日も日本は救われてる……」
「ハイハイありがとう」
総一郎の心臓を壊滅状態に追い込んでおきながら、あかりはサラリと可愛いを受け流す。
そして、総一郎は前もって準備していたトリートメントをあかりの髪の毛に丁寧に揉み込んだ。
いつもする側なのに、今日はされる側。なんだか恥ずかしいが、確かにこれは気持ちいいかもしれないとあかりは心の中がほわりとした。