世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
こんなことは初めてだ。
尚且つお世話対象。あかりは酷く動揺した。だけど、こうやって自分を包み込んでくれて、理由も聞かずにただぎゅっとしてくれる。
本当はこんな問題、一人でなんとかするなんて無理だ。分かってる。だったら……。
──総一郎くんにならいい。
無意識に出てしまった結論に、あかりは押し付けられた胸に恐る恐る擦り寄り、唇を震わせた。
「……総一郎くん」
「なに?」
「た、頼ってもいい、かな……」
「…………」
「情け無いんだけどっ……私、一人じゃどうしたらいいか、分からないの……」
「……はぁ」
「ごめんね、あの、今回限りにするからっ……」
人に頼り慣れてないあかりは早口になる。そして、総一郎の深い溜息を聞いて羞恥心が余計に湧いた。
年下の男の子相手に自分は何を言ってるんだと、言葉が弱々しくなっていく。
涙が目に溜まっていき、一度引っ込んだのにまた泣いてしまうと思った、その時だった。