世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
「情け無いわけない」
「…………え」
「頼ってくれたら嬉しいし、今回限りじゃなくていい」
とても静かで、思いやりの詰まった言葉があかりの心に落ちてきた。
抱き込まれていた身体が離され、包まっていたタオルケットをパサリと剥がされる。
そして、温かくてカサついた大きな手が、あかりの小さな手を、両手で、宝物に触れるように包んだ。
視線を上げたあかりの目尻から、再び涙がほろりと落ち、頬を伝ってシーツに染みを作る。
総一郎はそんなあかりの様子を見て、真剣な視線の奥に優しさを宿しながら、言葉を繋いだ。
「助けてって言えよ。……言ってほしい」
年下、お世話対象、出会ったばかり。それなのに、どうしようもなく総一郎の言葉が心に染みてしょうがない。
あかりは、これまで頼らずに生きてきた自分ごと、大切に抱きしめられているようで、今度は嬉しくて涙が止まらなかった。
子供のようにしゃくり上げながら、あかりは口を開く。
「総一郎くん、たすけて」
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