世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果 1
電話を終えた総一郎は、息をひそめ玄関へ向かう。そして、ドアの向こう側に人一人分の気配を察知すると、ドアロックをしたままゆっくりと鍵を開く。
するとすぐさまドアノブが動いた。
────ガチャッ!!
「あかりちゃ────」
「スーパー伊原の品出しの人だよな。アンタ」
「えっ、あっ、なんで……オマエが」
「逃げたら通報する」
ドアの隙間からこちらを血走った目で覗いた男は、総一郎を見るとギョッと目を大きくし、分かりやすく動揺する。
総一郎は男がその場から逃げないのを確認すると、自分も外に出る。
そして男の肩を掴み、壁に押し付けた。そして縮み上がる男を恐ろしいほど冷たい目で睨みつけ、口を開く。
「もう二度とあかりに近付くな」
「なんで男なんかと住んでるんだ……!この前まで一人だったはず」
「黙れ」
「ひィっ」
男は額に青筋を立て、捲し立てる総一郎に怯えるように涙を流しながら言葉を繋ぐ。